コロナ禍だからこそ、川ではライフジャケットを着けようよ!

川のガイド仲間のご家族が、川で流されて亡くなられてしまいました。合掌!
我々ガイドは、どんなに浅い川だって、川岸に入る前からライフジャケットを着用します。参加者のライフジャケットが間違いなく着用できているかも必ず確認しています。そんな仲間のご家族が亡くなられてしまったのは残念で仕方がないです。

コロナ禍で、各地の病院が逼迫する世の中だからこそ、水辺で遊ぶときには、ライフジャケットを着用し野外で元気に遊ぼうじゃないですか。

ライフジャケット

亡くなられた方は、鮎釣りがご趣味だったようで、鮎釣り中に流されたようです。
鮎釣りをしている方を見ていると、ウエットスーツやウェイダー(胴長)で川に入っている方が多いと思います。
流された方も、ウェットスーツだけで、ライフジャケットは着用してなかったようです。
ちなみに、川に学ぶ体験活動協議会(RAC:River Activities Council 平成27年)によると、「過去10年間の川での水難事故の件数や約2900件で、その内ライフジャケットを着用してなくなった事例は19件」
全体の0.65%以下のようです。

カツオが着用しているライフジャケット(PFD : Personal Floatation Device)は、浮力が10kgのものを利用しています。え?10kgの浮力で、カツオが浮くの?と思われたかもしれませんね。
浮きます!
国土交通省では、大人(体重40kg以上)は浮力7.5kg以上という指定があります。
ただし、国土交通省は、船に乗ることを前提としたライフジャケットで、川で遊ぶための観点での指定ではなさそうです。

体重40キロ以上、浮力7.5キロ以上のからくり

上記のリンク先にも掲載されているように国土交通省基準のライフジャケットは、以下のような基準があります。

 体重40 kg以上       浮力7.5 kg以上

 体重15 kg以上40 kg未満  浮力5 kg以上

 体重15 kg未満       浮力4 kg以上

小学4年5年生でしたら、浮力5kg以上のライフジャケットを着用した方がいいということです。

レジャー用ライフジャケットの場合、日本小型船舶検査機構 性能鑑定適合品「レジャー用ライフジャケット(固型式)」『業界等が定めた基準』(業界等という表現が怪しそうですが、アウトドア団体、釣り、小型船舶等の団体が性能テスト、使用テストをして定めた基準です)があります。

大人用 ライフジャケット

L1  浮力11.7.kg(波の荒い状態で行う磯釣り、激流の中ででのラフティング乗客用など)

L2  浮力7.5kg(防波堤で行う釣りなど)

L3  浮力5.85kg(カヌー、ラフティング及びカヤックのガイド・インストラクター用、平穏な水面で行う釣り)

子ども用 ライフジャケット
LC1 浮力5kg (体重が15kg以上40kg未満)

LC2 浮力4kg (体重が15kg未満の子ども用)

いずれも、体重よりも浮力が小さいですよね。
これには理由があります。

「人間は、【ほぼ】水に浮く」

人間の体の平均密度は、約1g/立方センチメートルなので、つまり、水とほぼ同じ密度ということです。
真水と海水ではさらに差があり、海水の方が密度が高いため、「体が浮きやすくなります」。塩分濃度が約30%といわれる死海で、人が浮いている写真を見たことありますよね。あれです。

閑話休題

人間の体の密度は、約1g/立方センチメートル≒水の密度なのですが、体の部位によって異なります。
一番重いのは、頭で体重の約10分の1と言われています。つまり、一番沈みやすい部位でもあります。
また、肺臓のある旨は、風船の役割をはたします。空気をたくさん吸い込めば浮かびます。空気を吐き出すと沈みますよね。
肺に空気が入っていると、上半身は浮かびやすく、頭は沈みやすくなります。

空気の取入口である、口と鼻を常に浮かばせるようにするのがライフジャケットの一番大事な役割です。
沈みやすい頭を安定的に浮かせられるように、体重の10分の1+αの浮力を確保できるように、設計されています。

ライフジャケットならなんでもいいわけじゃないのだ。

ECサイト(Amazon、楽天、Yahoo、メルカリなどなど)の普及により、専門店のない田舎に住んでいても、マニアックなものも手に入れやすくなりました。ライフジャケットもその一つだと思います。

ちなみに、カツオが最近利用しているライフジャケットはKokatatというアメリカのメーカーのものですが、石川県内では扱っているディーラーを見つけられず、結局、アメリカから輸入して利用しています。USCG TypeV Special USE DEVICに分類されているもので、アメリカ沿岸警備隊(日本では、海上保安庁にあたります)の認定品です。

数あるECサイトでは、さらに多数のライフジャケットが販売されています。

信用してはいけないライフジャケットが多数あります。

実は、水に浮かぶことが前提のライフジャケットなのに、浮かばなかったということもあります。

ある団体が主催する、幼児向けの川遊びのお手伝いに行ったことがあります。
担当の事務の方には、事前に、長袖・長ズボン・靴(サンダル・マリンシュース:薄いものが多く、石などで切り裂けやすい。は不可)・ライフジャケット着用は必須とお知らせしていました。ライフジャケットは買い足すということで、あるメーカーの子ども用のライフジャケット(詳しくは後述します)を指定したのですが、予算の関係で、あるECサイトで安いものを購入されてしまいました。

こういう書き方をすると、どこのECサイトで購入すればいいのですか?という問い合わせが入りますが、ECサイトの問題ではなく、ECサイトに出店している店子の問題なので、○○というECサイトが悪いということではありません。消費者が、物を選ぶ目をもたないといけないとうことです。

くだんのライフジャケット。
川遊びの当日に、そのライフジャケットを確認したところ、どう見ても、「浮力体:発泡スチロールのような樹脂浮力体」が薄く、信頼できるものの半分くらいの厚みでした。本来なら、この時点でイベントの中止を勧告するべきなのですが、日本人的な様々な社会的背景の理由により「敢行」することになりました。
スタッフには、「くだんのライフジャケット」を着用している園児が泳ぐ場合には、1対1でカツオかもうひとりのスタッフが張り付くことにしました。
カツオの過去の経験では、園児が足の届かないところで泳いだり、浮かんだりすることはほとんどなく、9割り程度の園児は網を持って、くるぶし程度の水のところで遊ぶことが多いです。

そして、「くだんのライフジャケット」
ラッコポーズで川流れをしたい子どもたちだけを集めたところ、比較的体格の良い子どもたちが集まりました。くだんのライフジャケットは、大きめだったので、その比較的体格の良い子どもたちが着用していたのです。
ラッコポーズで浮かばせたところ、
沈みます
ライフジャケットを着用しなくても、平水でじっとしていたら浮かぶのでは??という程度しか浮かびません。
ラッコポーズをする子どもの背中を手で支え、「浮いてるねぇ!」「流れるのは楽しい?」と声をかけるしかありませんでした。

ECサイトでのライフジャケットの選び方

そのECサイトは安全か?
最近、「超安売り」の販売サイトを目にすることが多くなってきました。大手(Amazon、楽天、Yahoo)などのECサイトでは、価格が下がっていないにもかかわらず、そこの販売サイトだけがかなり安いことがあります。
要注意です。
このようなサイトに出会ったら、まずは、販売店の住所を調べ、そして、Google Mapsなどの地図アプリで調べてみます。住所がなかったりすると完全にアウトです。つぎに、支払い方式をチェックします。銀行振り込みしかない場合は気をつけましょう。初回は、代金引換払い(手数料は発生しますが、品物が到着した段階で支払えるので、比較的安全です)にしましょう。可能であれば、荷物が到着し、料金を支払う前に、中身を確認した方がいいでしょう。

大手ECサイトの場合
サイトは安全でも、「店子」が問題のこともあります。
もっと、違う言い方をすれば、「店子」は問題ではなく、店子自身もその商品に問題があるとわからずに販売していることもあります。

1:価格
  ライフジャケットだけで言えば、子ども用であれば、4000円以上がまずは目安です。1500円程度のものはアウトです。


2:日本語
  説明書きを、全て読みましょう。
  某サイトで、1500円程度で販売されているライフジャケットの説明書。。
  【命を守る必要不可欠】
   → 命を守るために必要不可欠
  【強い浮力】
   → 高い浮力
  変な日本語がつかわれていることが多いです。

3:評価(レビュー)をチェック

  顧客評価もチェックしておきましょう。
  店子より、無料で提供され☆☆☆☆☆のレビューをしていることもあります。

ECサイトでライフジャケットを選ぶときには、上記の注意点のチェックも必要ですが、十分な浮力があるのか、利用目的に適しているのかの確認も必要不可欠です。

そして、浮力以外にも大事なのは、目的に適した、損傷強度(荷重880N以上)を兼ね揃えているものかの見極めが必要です。

ライフジャケットには利用目的がある

この投稿の、上の方に記載しましたが、「国土交通省」「業界等が定めた基準」などがあります。
国土交通省の認定したライフジャケットは、船舶での利用を想定しています。
また、国土交通省の認定したライフジャケットには、桜マーク(形式承認)が印刷されています。

川遊び用を選ぶのであれば、RAC:川に学ぶ体験活動協議会認定のものを選ぶか、USCG:Type V、あるいは、日本小型船舶検査機構 性能鑑定適合品「レジャー用ライフジャケット(固型式)」のL1かL2です。これらの、ライフジャケットは然るべきテストをもって認定されています。例えば、RACのテスト内容は「こちら」です。

小型船舶に利用する場合には、LC1やLC2、あるいは、USCG:Type Vがついたライフジャケットではだめで、桜マークのついたものでないといけないです。

つまり、川で遊ぶときには、川用のライフジャケットを着用しましょう。
ちなみに、足元は、滑りにくいフェルトが貼られた沢靴などをオススメしたいですが、1年に1回くらいなのであれば、運動靴をおすすめします。

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